はじめに
先日、JR東海から東海道新幹線に関するお話で、「繁忙期ののぞみを全席指定にして、着席率の向上を図る」という内容のニュースが発表され、SNS上で驚きの声が広がりました。
一方で、自由席特急券を持っている人は、「立ち席であれば利用可能」という案内がされました。これに対して、「JR東日本みたいに全席指定にすればいい」とか「デッキが地獄絵図になる」などといった反応もあります。
しかし、個人的にはJR東海さんは、最善の策を取ったと考えます
その理由なども、今回このブログにまとめてみます
「のぞみ」の全席指定席の概要について
まず、のぞみの全席指定席化についてですが、通年ではなく、ゴールデンウィーク、盆休み、正月休みの年3回の最繁忙期に設定される列車が対象です。
設定理由としては、プレスリリースを見た感じ、ざっくり分けると以下の理由が当てはまると考えます。
- ピーク時には、のぞみ号の指定席がすぐに埋まってしまう
- 自由席でも、始発駅以外からは着席や乗車ができない人が多い
- ホームで自由席を待つために長蛇の列に並ばなくてはいけない
- 自由席の乗降に時間がかかり、列車の遅延が発生してしまう
これらの対応として、特に混雑する繁忙期の対策として取られたのが、のぞみ号の全席指定席化です
個人的には、収益確保のための車内設備の簡略化なども進められていることや、車掌の仕事の簡略化なども一因ではないかと考えられていますが、表向きの理由としては以上の通りだそうです
一方で、自由席の取り扱いについては
- 新幹線定期券(FLEX・FLEXパル)を含めて、自由席のみが利用できる切符では、基本的にのぞみ号で着席することはできない
- ひかり、こだまには従来通り自由席を繁忙期にも設定
- 自由席特急券を持っている場合、立ち席であれば乗車することが可能
- 大規模な輸送障害が発生した場合には、全席自由席ののぞみを運行することがある
ということだそうです。
また、エクスプレス予約のサービスを活用することで、通常に比べて割安に乗車することができるようになります
概要については、こんなところでしょうか
自由席を使用した立ち席利用について
ネット上でいろいろといわれている自由席の立ち席利用
「デッキが地獄になる」「そんな制度いらない」などいろいろ言われていますが、私自身は、この制度を聞いて「そこまでしないとだめか...」と思いました
まぁ正直に言ってしまえば、JR東海自身も、全席指定席にしておいた方が、特急料金の収入も上がるので、そうしたい気持ちの方が大きいでしょう
しかし、それができないのには理由があると思います。
恐らく、全席指定席のみにしてしまうと、乗れないお客さんが出てきてしまうためだと考えられます
東京~名古屋~大阪の3大都市を最速で結ぶ新幹線は、先述の通り繁忙期にはお客さんが集中します。そのため、指定席のみにしてしまうと、乗りたいお客さんが乗れず、ホーム上には自由席券を持った人たちであふれかえってしまうため、やむなくこの制度を設定したと考えられるでしょう
とはいえ、東海道新幹線って、最繁忙期には3分に1本新幹線が発着しているんですよね。それでも対応できないくらいのお客さんが乗っているとか、改めて考えると恐ろしいですよね、東海道新幹線...
最繁忙期の混雑を避けるための賢い選択方法とは
というわけで、のぞみ号が全席指定になりますが、それでも自由席券を持った人たちでデッキや通路は大混雑になると思います
そんな最繁忙期に混雑を避けて移動する方法は何かあるのでしょうか
グリーン席に課金、ゆったりとした移動で混雑を避ける
自由席の立ち席制度ができたとはいえ、グリーン車には基本的に立ち席を含めたグリーン券を持っていない旅客は入れないような構造になっています。
東京~新大阪間で5000円程度の追加料金はかかりますが、静かな車内空間が得られるなら安い料金だと思います。
ぷらっとこだまを活用した、こだま号での移動
東海道新幹線の各駅に停車する「こだま」
最繁忙期にも多少混雑するとはいえ、のぞみ号の混雑と比較すればかなりすいている方です。
またこだま号は車両の半数以上が自由席なので、指定席はかなり空いています。
更にこだまには、前日までの購入でお得になれる切符「ぷらっとこだま」も存在しています。
時間に余裕のある方は、こだま号で東京~名古屋~大阪間を移動してみてはいかがでしょうか
のぞみの場合は、14~16号車に乗車する
全席指定となるのぞみ号でも、駅の階段から遠い号車には、おそらく立ち客が出にくいものと考えます。
特に14号車から16号車にかけては、ひかり号の自由席車両からも遠いため、立ち客が発生しても、ここまでやってくる客は少ないように感じます。
最終の新幹線「のぞみ64号」などでは大規模な混雑が発生し、16号車まで立ち客が流れ込んでくることもありますが、基本的に日中の新幹線はそこまで混雑はしないと思います
指定席を取る場合は、14~16号車を取ることをおすすめします。
新幹線を使わず、青春18きっぷで移動する
もはや地獄を見ることは火を見るより明らかな移動手段です()
青春18きっぷを使用して東海道線をひたすら下り下って大阪まで向かう方法
朝4時半頃に東京を出て、大阪に到着するのは12時半ごろ。ざっと8時間の旅程です。普通に考えて「バカジャナイノ?」という印象ですが、やってのける人が多いのが鉄道ファンです。恐ろしや...
まぁでも鉄道慣れしていない方はしんどいでしょう
途中の乗り換えや静岡のロングシート地獄など、考えれば結構しんどいものばかりです。というよりただのバカです()
のぞみやひかりと比較して在来線の方は都市圏以外では結構すいているので、選択肢の一つとして考えてみるのもよいですが、実行に移す前に一呼吸おいてからにしましょう。
特に旅行慣れしていない人は、安直に新幹線を使ってください。というか使いなさい
おわりに
2003年以来ののぞみ全席指定化と話題になりましたが、個人的には良い選択肢をJRは取ったのではないでしょうか。
皆さんも、最繁忙期には混雑を避けながら賢い旅行をしてみましょう。