ついに始まる、新たなアクセスルート
いよいよ本格的な工事開始のアナウンスがされた「JR羽田空港アクセス線」
並行する子会社「東京モノレール」の将来が不安ですが、いち鉄道ファンとして期待の大きい路線ではあります。
さて、そんな羽田空港アクセス線ですが、一部既存の設備を使いつつ、3つのルートで構成される予定です
今回は、尺の都合上、東山手ルートのみになりますが、超簡単な概要と、個人的に気になった点を踏まえつつ、この羽田空港アクセス線開業後の当路線や、その他周辺のダイヤ等を大雑把に予想していきます
※なお、あくまで予想である点だけご理解下さい
東山手ルートの概要
東山手ルートは、田町駅付近で東海道線から分岐し、かつて存在した貨物路線である「大汐線」の設備を使いつつ、羽田空港へと至る路線です
東海道線より先、上野東京ラインを経由して高崎線、宇都宮線、常磐線とつながり、より広大なネットワークの形成にもつながります
JR東日本としては、このルートを先行開業させることを示唆しており、この路線に対する力の入れようがよくわかります
群馬県も栃木県も、県内に空港がないうえに、最寄りの空港までのアクセスでも3時間以上バスに揺られないといけない場所で、空の移動には結構不便な場所でした
特にバスは、渋滞によって時間が読めない上、本数も少なかったので
時間が読めて、本数もそれなりに確保される鉄道路線の敷設はありがたいのではないでしょうか
東山手ルート ダイヤ予想
さて早速ダイヤ予想に入って行きます
まず肝となってくるのが、東海道線と大汐線をつなぐ連絡線が、線路が一組だけの「単線」になっているという点です。
コストを削減できる反面、列車の本数を増やせないうえ、遅延した際にダイヤを乱す原因になってしまう可能性があるため、その点が大きく不安な点です
特に、上野東京ラインでは、遅延通知が来ない日の方が珍しいくらい遅れが常態化しています。そのため、結構そのあたりが不安だったりします...
日中ダイヤ予想
さて、そんな肝心のダイヤですが
個人的には、日中は「10分に1本程度」が目安になるものと思います
2023年現在、日中の上野東京ライン系統は
- 20分に1本 高崎線から東海道線に直通する電車
- 20分に1本 宇都宮線から東海道線に直通する電車
- 20分に1本 常磐線の品川止まりの電車
- 30分に1本 常磐線特急「ひたち」「ときわ」
- 1時間に1本 東海道線特急「踊り子(サフィール踊り子)」(東大宮より送り込み)
このようなダイヤ構成になっています
日中の大船以北や大宮以南の区間では、東京直通の電車がだいたい10分間隔でやってくるようなダイヤ設定になっていて、分かりやすいダイヤになっています
そして、その10分間隔のパターンダイヤの2~3分後に常磐線直通の電車や、特急電車を通すダイヤになっています
...まぁ言葉だと分かりにくいと思うので、新橋駅の12時台の時刻表を作りました
新橋駅の時刻表
途中間をあけている箇所は、5分以上列車と列車の間に余裕のあるスペースです
通過列車については、東京駅の時刻からおおよその時間で割り出したものになります
こうしてみると、多方面から直通してくる上に、優等列車も走っている割にはところどころに「穴」があるようにも感じます
これらの穴の特徴を探ってみると、上下線とも「大体10分おきに開いている」という点が目につきます
恐らく、この10分おきの間にある隙間に、将来的に羽田空港行きの電車が入ってくるものと、勝手に予想します
そのため、ダイヤパターンはあくまで予想ですが、こんな感じになるのではないでしょうか
色分けは上と同じです
羽田空港方面からの隙間を使いつつ、臨時で特急が入るスペースも一応存在していますので、あるかどうかは分かりませんが一応通過ダイヤも設定してみました
プレスリリースには、常磐線方面への直通電車の存在も示唆していることから、常磐線方面への直通電車のダイヤも設定しました
ただ、今まで品川駅に乗り入れていた中電を一部、羽田空港方面へ振り分けることも考えられますし、取手発着の快速電車を品川行きに変更して、常磐線の都心直通の増発もできそうな気はします
ちなみに、大宮方面と常磐線方面への振り分けは、常磐線基準に大体で考えたものなので悪しからず()
※あくまで予想である点、ご理解ください
※日中ダイヤでも調べるのが大変だったので、ラッシュは作る気力があったらその時に作ります
特急列車の乗り入れについて
羽田空港といえば、日本各地からやってくる飛行機が発着する、いわば首都東京の玄関口になります
羽田空港アクセス線が開業すると、既存の特急を延伸して羽田空港に乗り入れるのではないかといううわさが、鉄道ファンの間で出ています
実際に、空港への特急乗り入れは十分にあり得る話だと思います
日本の首都の玄関にして、日本一乗降客数の多い空港から1本でアクセスできるようにもなりますし、行先表示にその特急列車の目的地を書けば、それだけで大きな宣伝効果につながります
また、羽田空港のみならず、東京駅も通ることになるので
飛行機と新幹線、両方からより便利なアクセスにつながるという期待も大きいです
そんな特急列車、東山手ルートを通る可能性のある列車は以下の通りです
これらの列車が羽田空港へ乗り入れる可能性を持っている特急列車です
15両編成が入れる路線ですので、どの列車が乗り入れてもおかしくはないと思います
また、特急乗り入れの開始により、より広大な地域からのネットワークからのアクセスが飛躍的に向上するうえ、羽田への旅客集中による都市強化にもつながります
よって、羽田空港アクセス線への特急乗り入れは大いにあり得る話であると予想します
周辺路線の変化や、それぞれのダイヤ考察
では続けて、開業後の周辺路線の変化を予想していきます
特急湘南の一部列車、大汐線経由に変更?
個人的に、このアクセス線構想が出てきた時から考えていたものです
現在、朝ラッシュの時間帯に走行する特急湘南は、東海道線の線路混雑を避けるため、朝の一部便で貨物線と横須賀線を経由して品川に至る線路を走行しています
しかし、このルート、先代の湘南ライナー運行開始時はあまり問題にはならなかったのですが、最近になってある問題が生じるようになりました
「武蔵小杉混雑問題」
タワマンの巣窟となりつつある武蔵小杉駅では、コロナ禍以前は多くの利用客が利用していました
そのため、駅構内は常に混雑しており、「改札に入るまで10分かかる」ということが当たり前になっていました
しかし、そんな混雑するホームを、特急湘南は我が物顔で通過していきます
これにより、横須賀線や湘南新宿ラインなどの増発が難しくなっており、余計な混雑悪化を招いている可能性があると考えました
かといって川崎方面ではすでに東海道線で線路容量が満杯なので、そちらには通せません
そこで考えたのが、特急湘南一部朝列車を貨物線・大汐線経由に変更すること
この大汐線、現在の東京貨物ターミナルと、かつて存在した汐留貨物駅をつないでおり、この羽田空港アクセス線でも、東京貨物ターミナルの脇をかすめて羽田空港に至るルートを予定しています
この大汐線と東京貨物ターミナルから東海道線に至る貨物線を利用し、湘南号を武蔵小杉や川崎を経由しないルートでの走行路に変更する
そうすれば、横須賀線の増発を可能にし、武蔵小杉の混雑緩和につながります
更に現在の場合は、万が一横須賀線が人身事故等で運転見合わせになった場合、湘南号も抑止を食らい、なかなか動けず、東海道線の普通電車の方が早くつく、という状況に陥りますが
こちらの経由線に変更すれば、旅客が乗降をする区間は短く、踏切も少ないことから事故のリスクが結構低いこと、万が一事故を起こしても、羽田空港アクセス線にのみ影響を与えるため、遅延時のリスクがかなり低くなることなど、会社側からしてもよい点が結構あります
この路線に変更してしまった場合、品川駅を経由しないという問題がありますが、その点さえ目をつむれば、混乱を招きにくいダイヤになるのではないかと考えます
既存の設備を十二分に生かせる上に、遅延リスクもかなり低いこと
問題になっている武蔵小杉の混雑もある程度緩和できる点などを考えれば
このように、湘南号の走行線区を変更することもあり得るのではないでしょうか
※なお、再三申し上げますが、あくまで予想なので間違っても文句は受け付けません
横須賀線・湘南新宿ラインの増発
先述の武蔵小杉問題もさることながら、東海道線一極集中緩和のために考えたもの
コロナ禍以前、東海道線の混雑は、列車によっては200%近くにまで膨れ上がる場合もありました
その混雑対策のため、東海道線では度重なる増発を進めてきましたが、それでも相当限界に近い部分まで列車を増やしたと思います
今後、さらなる東京都市圏への人口一極集中により、沿線人口も増えるものと予想しているため、ある程度混雑を分散させなくてはいけません
また、新宿方面へのアクセス強化のため、湘南新宿ラインにすることも可能です
しかし、この場合は西大井駅付近に存在する湘南新宿ラインと横須賀線の平面交差問題が絡んでくるので、そう簡単にはいかないかもしれません
どちらにしても、特急湘南の経由線変更が決まれば、横須賀線のダイヤも大きく動くのではないでしょうか(最近は毎年「新型車両を引き続き投入します!」としか言ってないですからね…(笑))
日中の快速アーバン・快速ラビットの復活
先述のように、既存ダイヤを使いながら、空いている穴を使って運用するのであれば、その穴の先には何があるでしょうか
...まぁこれは時刻表を見ると分かる方もいるかもしれませんが、湘南新宿ラインのダイヤにハマります
その湘南新宿ラインにも、高崎線内・宇都宮線内で通過駅がある「特別快速(高崎線)」や「快速(宇都宮線)」。線内各駅に止まる「普通(高崎線発の場合は快速)」の2種類があります
宇都宮線への湘南新宿ラインは、30分に1本の快速と、同じく30分に1本の普通で構成されています
一方の高崎線は、1時間に1本の特別快速と、1時間に1本の普通で、それぞれ日中のパターンが構成されています
では、このダイヤにぶつかる羽田空港アクセス線はどうなるでしょうか
・高崎線の場合
湘南新宿ライン方面の電車の種別によって分かれると予想します
大宮のあたりでぶつかる列車が「普通(あるいは快速)」の場合、その電車は各駅に止まってきた電車であるため、あとからやってくる羽田空港行きの電車は、優等列車「快速アーバン」に設定して、そのまま羽田空港まで直通させる運用に組み込むことも可能だと予想します
一方、「特別快速」と大宮でぶつかる場合は、普通電車として設定して、各駅の利便性を向上させます
線内優等運用を行う快速電車を設定することによって「〇〇駅から羽田空港まで最速〇〇分!!」という詠い文句を作ることができますし、大宮で普通電車に接続を取って各駅への利便性の向上にもつながります
・一方宇都宮線の場合
こちらは、湘南新宿ラインからやってくる列車が種別が今のところ固定されています
時刻表を見た感じ、快速とぶつかりそうに見えるため、このままであれば普通列車のみの設定になります
ですが、先述の詠い文句だって、宇都宮線沿線の人たちは欲しいはずです
そのため、湘南新宿ラインに直通する快速を1時間に1本に見直し、もう1本の快速列車を「快速ラビット」として羽田空港まで直通させる
そして、1時間に1本の湘南新宿ライン快速と接続を取るダイヤでは、高崎線同様普通列車として、各駅のアクセス向上にもつなげます
これにより、群馬県や栃木県などの空港が遠かった地域からもスピーディーに羽田空港へアクセスできるようになり、利便性の大幅な向上が期待できます
快速アーバンやラビットの日中運用の復活。あくまで予想ではありますし、「2031年時点で湘南新宿ラインからの快速列車が残存してること」という前提条件が必要ですが、羽田空港までの所要時間短縮や主要都市間の移動効果が高くなるなどの点が期待できます
朝夕ラッシュ時、東海道線品川行きの設定
これはまぁ「そういう考えもあるよね~」程度に流してくれると嬉しいです
実際できたところでめんどくさいだなMo(殴
...ゴホン、失礼しました
このような列車ができる可能性を考えたのも羽田空港アクセス線に起因するものです
東海道線系統は、すでに朝ラッシュの時点で満杯であり、列車もこれ以上増やせない
だからと言って東海道線を減便すると東海道線ユーザーが困る...
そこで、田町から入ってくるアクセス線の電車、あるいは品川始発の常磐線の電車のダイヤを活用して、品川行きとして設定して運用させる...という折衷案
一見、東海道線が不便になりそうですが
...おっしゃる通り、ものすごく不便になります
ですが、これによって今まで東海道線方面に集中していた新橋や東京方面へ向かう旅客の一部を横須賀線に流すことができるようになるので、東海道線への一極集中を避けられます
しかも運用が終われば、そのまま直接車庫に入れるので、効率もかなり良くなります
夕方ラッシュであれば、上野東京ライン開業以来問題だった「東海道線民座って帰れない問題」も見事に解決します
実際に、品川駅にある臨時ホーム7・8番線を有効活用すれば折り返し列車を設定できるようにもなります(というかターミナル駅で土地や線路に余裕のあるところって品川くらいしか聞いたことがないんだが…)
ただ、利便性自体が相当劣るので、朝時間帯のみ最高時速の低下でやりすごす感じもしないではないですが、一応一つの仮説としてご紹介しました
まとめ
さて今回は、羽田空港アクセス線の東山手ルートの大まかなダイヤ予想と、それに起因する各路線の移り変わりの可能性をいくつか紹介しました
羽田空港へ、首都圏のありとあらゆる地域からのアクセス向上が期待できるこの路線
開業による経済効果の大きさも、日本政府が期待するレベルの大きさです
あくまで今回は一人のしがない鉄オタ大学生がただ予想しただけなので、予想が外れる、あるいは「この予想おかしいよ~」と思う場面もあったと思いますが、ご了承ください。再三申し上げた通り※あくまで予想なので違っていても私は知りません()
とはいえ、やはり私としても大いに期待できる路線ではあります。並行する東京モノレールの不安もありますが、それはさておき、新たな路線の未来をしっかりと見つめていきたいです。