2022年3月5日、私は一人、渋谷区の小田急線の線路沿いを歩いていた。
その目的はVSE...もあるが、メインは別のものだった。
※このお話はいくつか専門用語が出てきます。詳しくない人は下の方にある快速急行の動画を見てチャンネル登録と高評価ボタンだけ押してからブラウザバックしてください。
また、写真メインになるため、記事の長さのわりに文章は少なめです。
快速急行片瀬江ノ島行きin複々線
今回は東京都心方面を目指していきます。その理由は改正で引退するVSE...もあるのですが、実はこれがメインではありません。VSEはあと6日も走り続けますし、なんなら臨時で残ります。対してあと2日で廃止されるものが小田急にはあります。
それはズバリ「快速急行片瀬江ノ島行き」。現行ダイヤでは藤沢止まりとなる快速急行は、改正前の土休日に限り片瀬江ノ島までの延長運転が2018年より行われてきました。実はカメラを一眼に変えて初めて撮影した列車がこの快速急行片瀬江ノ島行きだったりします。今回は、複々線を駆け抜ける快速急行片瀬江ノ島行きやVSE(行くからには...)をいくつか撮ってきたのでご紹介いたします。
藤沢駅の小田急線ホームに上がると止まっていました。新宿行き快速急行。先日大野工場から出場したばかりの1092Fです。ちなみにこの車両がリニューアル後にに快速急行片瀬江ノ島行きに充当された回数はわずかに3回だそうです。撮りたかった...
まず新百合ヶ丘で...と思いましたが、入れ違いでやってきてしまったので新百合は断念(今思うと少し後悔)。一応幕だけでも回収しておきます。
その後は結局引き続き乗って登戸へ。ここで撮るのは地味に初めてです。
1本目、5053Fによる片瀬江ノ島行き。ピン甘です。初手から失敗しました。
撮りおさめるならなるべく写真は必要。ということでバックショットです。ホームドアが邪魔です。藤沢にもいずれこんなご立派なものがつくのでしょうか。
暫くしてやってきたのが千代田線からの直通列車。4066Fの準急向ヶ丘遊園行き。盛大なまでの幕切れです。準急であるかいささか疑問ではありますが、緩行線から2番線に転線しています。よって準急です。Q.E.D.
そしてなんと30057F(多分)によるはこね号もやってきてくれました!
残り2本だけ残されたEXEの未更新車。VSEよりも車齢が古いことを加味すると今後廃車になる可能性も低くはないと思います。
2本目、5059Fの片瀬江ノ島行き。5000型もだいぶ増えましたが、片瀬江ノ島行きに入った運用はそう多くはないのではないでしょうか。
バックショットも漏れずに撮影。
そういえばこの5059Fが運用に開始されたのは2021年の9月。となれば1000型の未更新時代も含めれば、一番片瀬江ノ島行きの運用に入った回数の少ない車両だったのではないでしょうか。
続いては準急。今度はメトロ車による運用です。準急も今回の改正で日中の電車は全便急行に格上げされ、緩行線を走る運用も少なくなってしまいました。
さて、登戸では撮れましたので、このあとやってくるVSEを迎撃するべく和泉多摩川に移動します。写真はその車内で撮影した一幕です。
準急もここでは緩行線を走るため、しっかり記録できます。というかこの時間上りは思いっきり逆光になりますが、今回の本命はしっかり順光で撮れていたことに編集中の今気づきました。
その代償なのかは知りませんが幕切れがあまりにもひどいです。やってきたのは1091Fの片瀬江ノ島行きです。もともと幕切れの度が過ぎることでも1000改は有名ですがね…
逆光&ガラス白飛びですが…まぁ取れなかったよりはいいでしょう(開き直り)。
ここからは再び移動です。画像は1097Fによる片瀬江ノ島行き快速急行。すれ違ったら片瀬江ノ島行きだった...というオチなので画像はこの通り。でも取らなかったよりはry
経堂に到着。別に和泉多摩川から各停に乗りっぱなしでもよかったのですが、急行線乗りたさに乗り換えました。おかげで画になりそうなお写真が撮れました。
一応準急表示も収めておきます。
というか各停って特に遅れとかなければ3番ホーム側には何もいないはずなのですがなぜか経堂駅の副本線側の4番線に止まるんですね。なんででしょうか。
各駅停車で1駅。やってきたのは豪徳寺です。以前新宿からの帰りでカーブしてるのでよさげに撮れそうという思い込みでやってきました。
...が、こんな感じです。少しごちゃごちゃした印象を受けてしまいました。ちなみにこれ、幕が切れててよくわからないですが片瀬江ノ島行きです。3254Fと8064Fによる運用です。3000型の初期車は約半数が幕切れの起こしやすいタイプのLEDに交換されています。よりによって一番来てほしくない車両だったりしてました...
後ろは8000ですので問題はないですが、逆光なので正直受け入れられるかといわれるとあんまり...といったイメージですね。
ちなみに緩行線を走る車両の場合は障害物なくすっきり撮ることができます。
さてやってまいりましたVSE。
架線の影が少し気になりますが、仕方ないです。白い車体に影が映りこんでしまうのは致し方ないことです(開き直り)。
角ばった感じの3000に対して、流線型の場合はホームの屋根影がきれいに処理されてくれますねまぁほんとは影なんかなかった方が良いんだけど。
各駅停車を待っていたらMSEがやってきました。案外よさげなアングルですね。
豪徳寺のお隣、梅が丘に到着。もう一本のVSEもすぐそこまで接近しているらしいのでここで撮影します。
下りの準急も申し訳程度に撮影。
さてやってまいりましたもう一本のVSE。逆光ですがそれでもまぁよきです。坂を駆け下りてくる姿がやっぱりかっこいいです。
各駅停車に乗り込むと8262Fと8062Fの快速急行片瀬江ノ島行きがやってきたので、慌てて撮影しました(笑)
下北と新宿を徒歩で!?
さて、下北沢に到着。かつてのポスターをイメージした壁画?みたいなものもありました。
改築後の下北沢駅です。地味に改札の外に出るのは初めて。複々線完成前に一度使ったことがありますがそれっきりです。
ここでゆっくりショッピングや野獣邸に凸るのも...とはいきません。ここからは徒歩で新宿を目指していくのですが、先ほど撮影したVSEや快速急行片瀬江ノ島行きを撮らなくてはなりません。しかも片瀬江ノ島行きはもう間もなく新宿を発車します。なのでなるべく急ぎ足で地上区間に向けて歩きます。
商店街や線路跡地を早歩きで東北沢へ向かいます。
間 に 合 い ま し た が こ の 通 り 。
架線が邪魔だし幕が思いっきり切れてるしで出来栄えは最悪です。ただ、ここ以外で取れそうな場所もないですしVSEも近づいてきているので動けません。下北で撮っとけばよかった...
やってきましたVSE。とりあえずこんな感じです。まぁ記録としては申し分なし!
それじゃあ新宿に向けて歩くとしましょう。
Googleマップを使ってもなお道に迷うほど東京の道路って複雑ですね。鉄道網が可愛く見えます。そんなわけで10分ほど歩いて上原の駅へ。
上原って思っていたよりも小さめなんですね。なんでこんなチビ駅が藤沢より多くのお客さんが利用しているのでしょうか。謎です。
上原から北に歩くこと約5分。線路の上にまたがる跨線橋があります。ここも案外有名な撮影地だったりします。とはいえもうだいぶ日も西に傾き始めています。そろそろヤマ場ですかね。
縦アングルで8261Fと
縦アンにしましたが思ったより出来栄えは高くなかったです。
続いて代々木八幡駅の先にあるカーブ。なんとなんと!残り2本のみの未更新のEXE同士がすれ違いました!
ちなみに単体ではこんな感じです。手前側の雑居ビルと奥の高層ビル群がいい味出してますね。なお陰で少し暗めに見えてしまっています...
そんなわけでやってきました快速急行片瀬江ノ島行き。1095Fの運用です。ピン甘ですが撮らなかったry
バックショットはしっかりピントが合ってくれましたが幕切れが...ね
移動のためにそれなりに大きな道を歩いているとエヴァンゲリオンラッピングのバスがやってきました。エヴァは見たことがないですが、昔VSEにラッピングされてた時期があったので少しだけ興味があります。
ほかにも京王バスの復刻塗装車もやってきました。
そしてしばらく歩くとさっき見たEXEが折り返してきました。
ちなみにこの辺りは、小学校でも習う「春の小川」のもととなった河骨川の流れていた場所でもあります。それにちなみ歌詞の石碑があるようですが、見逃しました。
とはいえこの歌からイメージしたのは田舎の小さな川なのですが(すみれやれんげ、えびやめだかなどが歌詞に出てくるように、普通ならマイナスイオン漂う静かな街みたいな感じがするから)、昔はここら一帯もそんな感じだったんでしょうか。
今では花の代わりに雑居ビルやら集合住宅やらが並ぶこの歌とはまるで対照的なものすごく五月蝿い街並みになっていますし、何なら海老やメダカのいたはずの河骨川も今は道路の下です。というかもとになった春の小川はこの川で合ってるのか、だれが作曲したのか、実は今も謎のままだったりします(wikipediaより)。
参宮橋を過ぎて少し進んだ先にある、いわゆる参宮橋カーブです。ただ、今回のメインはあくまで快速急行片瀬江ノ島行きなので方面が真逆です。今回は偶然やってきた各停をとらえました。
そしてしばらく歩いた先ではGSEも顔を出してくれました。
歩いていたら5056Fがやってきました。私と友人の間では呪われた小田急の車両という印象があります。昨年の夏休みに起きた小田急線の例の事件、それの当該編成でもあります。それだけならまぁ仕方ないかで終わるのですが、こいつの場合そのわずか数日前に海老名から出庫し、いよいよ運用に入るぞというタイミングで入線中に人身事故を起こし、朝ラッシュ時に多くの人間を迷惑にさらした黒歴史まで持っています。さらにこの編成に乗っていると非常警笛を吹鳴することがよくあるので、呪われたイメージしか持っていません。あとこいつと遭遇すると、友人はよくトプナンを回収します。
南新宿手前のストレート、3092Fの快速急行片瀬江ノ島行きがやってきました。
さて、ここ南新宿を過ぎれば大都会新宿はすぐです!
新宿大カーーブ!!!
ついにやってきました!小田急線を代表する超*3有名な撮影地、新宿大カーブです!
新宿駅を出発した小田急線の列車はこのカーブで進路を小田原方面に変えます。そのカーブする姿が小田急ファンのみならず、撮り鉄の間でもものすごく有名で、多くの鉄道ファンが毎日訪れるほど有名な場所です。今回も同業者様が2~3人やってきておりました。
ここでは快速急行片瀬江ノ島行きのほかにも、絶賛新宿駅に接近中のVSEも撮影します。
レンズの大きさを小さめのもの(100ミリ→42ミリ)に変更してまずは4057Fの片瀬江ノ島行き。幕が切れてますがわからなくはないのでいいでしょう。
ついでに改正後も減便されながらしぶとく生き残った快速急行唐木田行きも撮影。幕切れもそんなに目立たなくなってきましたね。
さてさてやってまいりましたVSE。ぶれてますがまたそれもいい。
新宿駅に吸い込まれていく姿もまたかっこいい...
そして出てきました。少しライト回りが明るくなってしまったせいで回りが暗くなってしまいましたが撮れないよりry
ちなみに真正面の姿は何をしたのか分かりませんが載せられないほどブレッブレでした。
そしてこの時、なんとミュージックホーンを鳴らしていただきました。運転手さんありがとうございました。
ちなみにVSEの前に8257Fと8057Fの快速急行片瀬江ノ島行きもやってきました。
ところで皆さんは8000型は3色LEDとフルカラーLED、どちらの方がお好みですか?私は8000型の少しノスタルジーな感じの車体から、3色の方が好きです。
大ターミナル新宿での鉄活
下北沢駅より歩くこと(寄り道含め)2時間。ついに世界最大級のターミナルステーション新宿駅にやってきました!
いやぁ~長かった(笑)。ただ思っていたほど長くはなかったです。
さて、少しだけ小田急から離れてゆっくりしますか。
夜の新宿駅は土休日にも関わらず、電車が絶え間なく発着を繰り返しています。
個人的に新宿に来て、この電車が絶え間なく走り続ける姿をボーっと眺めるのが私は好きです
世界最大のターミナルとも呼ばれる新宿駅、その甲州街道から少し入ったところにある「Suicaペンギン広場」は、私も好きな場所のひとつです。ぜひ新宿に訪れた際は見に行ってみてください。平時は子どもたちとなぜかいるカップルでいっぱいですが…
こちらも改正で消えゆく存在、京王の準特急です。さすがに改札には入りませんが、せめてでも案内表示だけは記録しておこうと思い撮影しました。
ここからは駅撮りです。
まず3・4番ホームに停車中の1096F快速急行片瀬江ノ島行き。これには乗りません。一応もう一本VSEが迫ってきてるので、それも記録して帰ろうと思います。
...というのもありますがホンネは改正で聞けなくなる新宿駅アナウンスのによる「片瀬江ノ島行き」の放送を録音するためです。スマホには録音機能も付いているので、それで音を録ってから帰路に就こうと思います。
新宿駅のロマンスカーホーム先端にはこんなものが。VSEへのファンや子供たちからのメッセージです。私も書かせていただきました。この時点でとても多くの書き込みがあることからも分かるように、本当に老若男女多くの方から愛された車両なんだと思うと胸がいっぱいになりました。
ちなみに新宿駅ではこんな感じで乗車位置が固まっている場所がありました。ところで4両の停目がありますが4両のまま新宿に乗り入れる車両はあるのでしょうか。
5000型、恐らく5057Fの片瀬江ノ島行きがやってきました。
ピン甘です。ゴメンナサイ。
そして編成番号不詳の8000型による片瀬江ノ島行きもやってきてくれました。
そういえば横からの写真って今日あんまり撮ってませんでしたね。車体入りだとこっれが確か初です。
そしてやってまいりました50000型VSE。片瀬江ノ島行きと入れ違いに入線です。
今まで撮ってきた沿線では、しっかりした一眼カメラを構えたいわゆる「撮り鉄」の方がほとんどでしたが、さすがターミナル新宿駅。スマホしか持っていない一般の方たちや子連れの方たち、コンデジを使っている撮り鉄jrの方も多くいました。でもやっぱり一定数撮り鉄さんもいます。
VSEがやってくると、特急ホームの2番線はカメラやスマホのシャッター音が響きます。まるでハリウッドスターや日本の有名なお偉いさんたちがやってきたような雰囲気に包まれます。終日ロマンスカーが発着し、普段からシャッター音がそれなりには響いていますが、その大きさはこのVSEがやってきた時とは比にならないほど小さいです。やはりこのVSEという車両がいかにい人気か、そしてその引退を惜しむ人がどれほど多いかがよくわかりました。
先頭はもちろん、3・8号車にあるロゴマークの周りでも子供たちがスマホに向けて誇らしげにピースサインを掲げたりする様子が見られました。
ですが頭端部の周辺はやはり人の多さが目立ちます。というより完全な密です。都知事のお膝元の街新宿では、こんな密が当たり前のように繰り広げられていたことでしょう。
乗りたい気持ちはありましたが、乗ってしまうと今回録音したい放送が取れなくなってしまうので今回は断念。ですが最終日に乗りました。その様子もまた別の記事にまとめようと思います。でも気力があればYouTubeにアップするかも。
VSEを見送り、いよいよ帰路につきます。長いようで短い、でもやっぱり長かった半日でした(結局どっちやねん)。往路で約6時間もかけた区間は、19:09の快速急行に乗ってしまえばたった1時間の帰路で済んでしまいます(言ってしまえば新宿まで所定の6倍かけたバカということですね)。
「お下がりください。到着する電車は、快速急行片瀬江ノ島行きです。電車が止まりましたら~」。
新宿駅独特の言い回しを聞きながら入線してくる今回の乗車電、快速急行片瀬江ノ島行きを撮影。車両は4052Fです。個人的に今日一の出来栄えだと思います。
実は片瀬江ノ島行きの快速急行に新宿から初めて乗ったのは去年の6月、当時の車両は4053Fでした。そして今日、この列車が新宿駅から乗車する最後の片瀬江ノ島行きとなります。偶然なのか必然なのか。最初も最後も、新宿駅への入線本数が決して多いとは言えない4000型、しかも続番になったのは奇跡としか言いようがないでしょう。
少し小柄な表示器にまるで押し込まれたかのような見苦しさをも覚える片瀬江ノ島の表示。歩いて2時間かかった区間も、この列車に乗ってしまえば10分かからずについてしまいます(つまりそれくらいバカげたry)。
「プルルルルルルル…4番ホームから、快速急行片瀬江ノ島行きが、発車いたします」。
恐らく新宿駅で聞く最後の快速急行片瀬江ノ島行きの放送。とくと胸の中に焼き付けました。
新宿駅よりわずか1時間。藤沢に帰ってきました。
今回の改正で分離・独立する江ノ島線の末端区間。発着番線の変更に伴い、この表示器に片瀬江ノ島が表示されるのは1日に数回のみとなりました。
江ノ島線にとって開業時以降最大とも呼べる2022年のダイヤ改正。その一部始終に立ち会えたことを私は誇りに思います。
最初の乗車ルポはこちら(YouTube)
ちなみに、初めて新宿から片瀬江ノ島行きに乗車した時の乗車ルポはYouTubeにまとめておりますのでそちらも併せてみていただけると中の人はとても喜びます。
それでは、2か月越しですがここまでご覧いただきありがとうございました。
ちなみに、こちらが最終の片瀬江ノ島行きの快速急行です。この列車を以て、新宿と江ノ島をつなぐ無料種別は長い休止期間に入りました。