2018年3月8日、ダイヤ改正よりひと足はやく、小田急線がこれまで事業として推し進めてきた複々線が、最後まで複線で残っていた梅ヶ丘〜東北沢間を複々線化し、約50年にわたる複々線化事業を完成させることができました。
その約1週間後に行われたダイヤ改正では、複々線を活用した様々な部分を大きく変更する白紙ダイヤ改正を実施しました。
そして、小田急は今、新型の新5000型車両を導入し、ある程度小田急を走ってきた車両を置き換えています。今回は、そんな小田急を複々線完成から現在までの小田急をいくつかのパートに分けながら少し振り返ろうと思います。ちなみに中の人はあまり小田急を撮らない人間なので画像はだいぶ少なめです。
2018年3月8日 小田急線梅ヶ丘〜代々木上原間複々線完成 小田急連続立体交差事業完了
高度経済成長期、小田急では連日乗車率が200%を超える日々が続いており、列車の本数を増やすことで、対策を練ってきました。しかし、そうなると前を走る各駅停車に急行が追いつき、ノロノロ運転になるのが普通になってました。そのため、乗客からは(駅に止まるのが各停で、駅間に止まるのが急行)という認識になっていました。
こんなことを小田急は黙って見ていられません、本数増強の限界を迎えた小田急が次に着手したのが、線路を増やす複々線計画です。
特に向ヶ丘遊園〜代々木上原間では連日列車の渋滞が慢性化、開かずの踏切も多くありました。そこで、線路と道路の踏切をなくし、線路も増強するというプランを計画しました。
これらのことを連続立体交差複々線化事業とこれから書いていきます。
その連続立体交差複々線化事業の最後の工事区画である梅ヶ丘〜東北沢間の工事を完了させ、複々線はこれですべて完成しました。
2018年3月15日 小田急線全線白紙ダイヤ改正
小田急の昔からの夢が叶ったこの改正、目玉はなんと言っても複々線を活用したさらなる本数の増加や所要時間短縮といったところです。
この改正で、新たに多摩線から新宿に楽にアクセスができる通勤急行と、千代田線直通の通勤準急が運転を開始。
快速急行も日中のみの運行だったものが朝ラッシュの時間にも運行されるようになりました。また、快速急行が登戸に停車し、準急が狛江、千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵に停まるようになり、さらに使いやすくなりました。
そして、多摩線の日中の優等列車は全て新宿乗り入れに変更し、千代田線直通の運用はほぼ消滅しました。これにより、これまで多摩線を支えてきた多摩急行が運行を終了、準急の新宿乗り入れも廃止され、すべての準急が千代田線に乗り入れるようになりました。しかし準急はこれまで朝夕ラッシュ時のみに運行されてたのが、日中にも運行されるようになり、停車駅も増えてすこしだけ便利になりました。
そして小田急が初代ロマンスカーSEを運行開始した当時から懐き続けた60年の夢である新宿〜小田原60分がついに複々線を活用して行うことができました。改正前までは最速でも65分掛かっていたこの区間を、複々線区間での時間短縮を実施し、新宿〜小田原ノンストップ特急スーパーはこね号のうち、土曜休日ダイヤのみではあるものの、59分で結ぶことに成功しました。
そして、この改正からは新たな特急ロマンスカーの車両も運転を開始しました。今ではもう既にお馴染みとなった70000型ロマンスカーGSEです。まずは1本目である70051Fを製造し、ロマンスカーミュージアムに展示される展示品の一つであるLSEこと7000型7003Fが引退しました。
そして、これまで「えのしま」、「さがみ」などの愛称で呼ばれていた朝ラッシュ時のロマンスカーが「モーニングウェイ」に、地下鉄に直通するものを「メトロモーニングウェイ」になりました。画像はありませんごめんなさい...
次回は改正後の小田急の車両の動き(廃車・リニューアル等)を見ていこうと思います。
次回に続く…